表題の「轆轤」という漢字、これは「ろくろ」と読みます。逆に「ろくろ」と打ち込んで変換すると、いくつか漢字の候補が上がってきますが、この漢字「轆轤」が陶芸で使用するロクロのことです。
さて、今回は当工房にある4つの電動ロクロのうち、一番良い轆轤、日本電産シンポのRK-2Pについて紹介したいと思います。

日本電産シンポ 電動ろくろ RK-2Pプロ型 クラッチ無し ドベ受け付き SHIMPO RK2Pプロ シンポ電動ろくろ 【関東は開梱・設置つき送料無料】 【代金引換対象外】
基本スペック
- モートル(電動機=モーターのこと):250W単相100V
- ターンテーブル(回転円盤のこと):回転数50Hz:0〜200回転/分60Hz:0〜240回転/分
- ターンテーブル回転方向:右回り、左回りのいずれも可能
- ターンテーブル軽合金鋳物:径300mm
- 外形寸法:幅550×奥行640×高485mm
- 質量:49kg
- 付属品(中古購入の当工房のものには無し):ドベ受け(2分割式)
電動ろくろRK-2Pプロクラッチ付との違い
クラッチ付きのものは手動でもターンテーブルが回転させることができます。ですが、聞くところによると、手で回したところでスムーズに回るわけではないので、手轆轤の代わりになるわけではないようなので、ご購入の際はその点ご注意を。
RK-2Pプロを選んだ理由
この機種は、最近のモデルで採用しているダイレクトドライブモーターや、古いロクロで使われているリングコーン式のものとは異なった動力を使っているようです。調べてもよくわからなかったのですが、うちにあるロクロをひっくり返すのは怖いので、ここまでしか機構についての情報がありません。
なのですが、このモデルの良い点=メリット、悪い点=デメリットをあげておこうと思います。ただ、実際に体感したことでなく、信頼できる人たちからの情報ですので、その点は御留意を。
メリット1、水に強い
ロクロを使っている以上は土だけでなく水も合わせて使うわけですが、駆動方式の特徴なのか比較的水に強いということです。何がどうで強いのかは分かりませんが、水による故障が少ないようです。
メリット2、雷に強い
これもおそらく水に強いことと同じ理由からののでしょうが、雷が落ちたりしたときでも壊れにくい、らしいです。まあ雷がなるような天気の時はできるだけ電位製品を使わないようにすることが一番大事だとは思います。
メリット3、低速のコントロールしやすい
低速でのコントロールがしやすいです。
デメリット1、パワーが少し弱め
消費電力も250Wということもあってか、パワーが少し弱い気がします。そこまで不満に思うことは少ないのですが、ときどき止まりそうになったりして、パワー面ではちょっと不安に感じることがあります。
デメリット2、スピード遅い
低速コントロールがしやすいかわりに、回転の最高速が遅めです。
電気ロクロを購入する時に気をつけるポイント
新品の場合
今回はRK-2Pプロについての紹介でしたが、新品で購入すると20万円程度します。もっと安いものもありますが、そういったものは物足りない部分がたくさんあると思います。あげると
- パワーが小さくて土殺しができない
- ターンテーブルが不安定
- 機械全体が不安定
- 機械の重さが軽くて不安定
- 回転スピードの調整がしにくい
- 回転を止める時に衝撃が加わってしまって作品の形が崩れる
などなど。
中古の場合
中古品は陶芸用品を扱っているところで購入するのが一番
というわけで、電気ロクロを購入する場合に中古を選ばれる方は多いと思います。当工房にあるロクロも全て中古で購入したものです(一つは譲っていただいたものですが)。
中古で購入する場合は陶芸用品を扱っているショップであれば、信頼して購入しても問題ないと思います。特にメンテナンスを受け付けているようなところや、保証を付けてくれるところであれば。しかしその場合は、中古の中でも多少割高になります。ですが、長い目で見ると、一番コストがかからずに済むかもしれません。
また、古い型リングコーン式のモデルのものでなく、できるだけ新しいモデルのものが良いでしょう。
使用中にストレスがないことが一番ですし、その方が良い作品が作れます。その点を重視して選ぶのが良いと思います。それでも、メンテナンスにチャレンジすることも含めて安い中古品を購入する場合は、以下の点に気をつけると良いと思います。
古いロクロのリングコーン式のものは個体差が大きい
シングコーン式の轆轤の構造は、モーターの回転軸にターンテーブルの回転軸当てることによって回転動力を得る仕組みになっています。円錐型のゴムでできたものを押し当てることで回転するのですが、
- ゴムの劣化(硬化)
- ゴムの摩耗
- ゴムの当たり方の個体差
こういったもので回転の操作のしやすさに違いがあります。なのでほぼ冒険だと思って購入するのが良いと思います。そして仮に使いにくいものにあたっても、比較的影響の少ない削りやポットミルを回す台を取り付けて釉薬づくり用にすればいいなどの選択肢があれば、個人売買を利用してもいいと思います。
電力(電源)に注意
最後にもう一つ、電源(電力)がどうなっているのか注意が必要です。次の三つがあります
- 単相100v
- 単相200v
- 三相200v
一般的な家庭で使用できるのは単相の100vと200v、単相200vは工事が必要になる場合が多いです。強力エアコンやオール電化のコンロなんかが単相200vを使っていることが多いのですが、一からコンセントの差込口がある家はあまりないと思います。100vであれば通常の差し込み口に差して使用できます。
三相200vは工事はもちろん、新たな契約を結ばなくてはいけません。なので、窯業を営むのでなければ現実的でありませんね。
大型の電気窯だと三相200vでないと使えないことが多いです。